火星上陸の計画や、人工内耳の開発数千人規模での企業の働き方改革など、お客様がいかにJira Softwareを活用しているかを知るたびに、その画期的な事例に驚かされます。我々は、Jiraが幅広いプロジェクトや活用方法に対応できるよう、Jiraプラットフォームに大きな投資を行い、将来に向けて必要な基盤を整えています。そしてこの度、Jira Software Server & Data Center 8.0をリリースしました。

スケーラブルなシステム実現のために新たに高速なエンジンを備えた、Jira Software Server & Data Center 8.0のリリースは、エンタープライズ チーム向けJiraの新たな幕開けとなります。リリースに際し、この新バージョンがもたらすインパクトについて、ここで紹介できることを非常に嬉しく思います。

このバージョン8.0により、システム管理者は、チームの成長に伴って必要となるパフォーマンスに、より容易かつ迅速に対応することができます。一方、Jiraで作業をするエンドユーザーには、更新事項や優先順位がより明確にやりとりされます。パフォーマンスについてのハイライトと新機能の主なポイントは下記の通りです:

  • Jira Query Language (JQL)による検索スピードが平均で31%向上
  • アジャイルボードのロードスピードが最大2倍速くなり、スケールの大きい(10,000以上の課題を含む)ボードの場合は最大21倍の向上
  • 更新情報をまとめることで、度重なるEメール通知の煩わしさを軽減
  • わかりやすくなった新しい優先度アイコン
  • 71%速くなった再インデックス
  • インデックスのサイズが48%削減

パフォーマンステストの具体的な内容や、機能の詳細については、テストの全結果と手法をまとめたパフォーマンスレポートリリースノートをご確認ください。

それではここから、エンドユーザーおよび管理者が、Jiraでこれまで以上に迅速かつ柔軟に作業するのに役立つ、バージョン8.0について紹介します。また、上記のパフォーマンスを実現するために施した、根本的なプラットフォームの変更についても触れます。


チームが仕事に取りかかれるよう生産性を向上

Jiraは、数人程度のチームから数万人規模の企業までのさまざまな層で、日々の業務に欠かせないツールとして利用されています。このような場合、特にエンタープライズ規模の組織では、Jiraのシステムサイズと複雑さが増すのに応じて、JQL検索のスピードが遅くなり、ダッシュボードガジェットのロードに時間がかかることが課題となります。チームでスタンドアップ(朝会、デイリー・スクラム)を始める前に、大量のバックログの情報を引き出すのに想定以上の時間がかかることがあるかもしれません。

Jira Softwareの基盤技術に構造上のアップグレードを行うことで、バージョン8.0はJira内でのコミュニケーションと生産性の障壁を取り除き、チームの成長に合わせて拡大する高性能なプラットフォームを実現しました。

1. 検索、ボード、およびバックログをより速く表示

バージョン8.0のパフォーマンス向上により、作業時間が短縮され、毎日、少しずつ時間を節約できます。改善が最も顕著な領域は、検索、アジャイルボード、そしてバックログです。バージョン7.6と比較した場合、8.0では31%速く検索結果が表示されます。最も改善されているのは日付範囲による検索で、70%も向上しました。

アジャイルボードとバックログのロードにかかる時間も短縮されます。アジャイルボードは平均で2倍速くロードされ、スケールの大きい(10,000以上の課題を含む)ボードはロード時間が21倍も速くなりました。

スピード比較

ボードとバックログのロードをスプリントに対応させるために、我々はフルスタックアプローチを取り、膨大な数の最適化を行いました。開発者ブログ(英語)でより詳しい内容を紹介していますので、ぜひご覧ください。

2. Eメール通知と優先度の表示がより明確に

バージョン8.0では、Eメール通知の煩雑さを解消することも目標の一つにしました。管理者は更新情報をまとめたEメール通知を有効にできるようになり、エンドユーザーが重要な更新を見逃すことがなくなります。10分以内に行われた課題の更新、コメント、および編集を1つのEメールにまとめることで、ユーザーが1日に何百もの通知を受け取ることがなくなります。

Eメール通知

また、新しい優先度アイコンにより、チームのJiraタスクの優先度を明確に表示するようにしました。Jiraの10種類の優先度には、それぞれ個別のアイコン形状が付与され、課題をまとめて確認する際に、優先度が区別しやすくなりました。

見やすくなった優先度アイコン

3. 新たなUIでJiraの見た目が一新

バージョン8.0で、Jiraは動作が速くなっただけでなく、見た目も改善されました。Jiraを使うことがより楽しく生産的になるよう、お客様から寄せられていたフィードバックを取り入れてきました。バージョン7.10よりも前のものからアップデートすると、よりモダンなルックアンドフィールになっていることに気づいていただけるのではないでしょうか。そして8.0では、アジャイルボードが新しい見た目になっています。

ユーザーインターフェースの比較

ユーザーエクスペリエンスを変更することなく、Jiraの見た目をモダンにしているので、新たにトレーニングをする必要はありません。

4. どこにいても作業を進められるJira Softwareのモバイルアプリ(ベータ版)

今や仕事はオフィスのデスクでのみ発生するわけではありません。どこにいても、最新の開発状況をチームで確認したり、課題を把握したり、チケットの優先順位を変更したり、更新を共有したりする必要があります。バージョン8.0では、Jira SoftwareのiOSおよびAndroidアプリへのアクセスも含まれています(現在はベータ版)。

Jira Softwareモバイルアプリ


管理者にとってメンテナンスが容易なモダンなJira

エンドユーザーを満足させ、生産的にすることは常に最優先事項です。一方、組織全体にわたってJiraのパフォーマンス、安定性、そして適切な管理を保証するために、Jiraの管理において水面下で多くのことが行われていることを我々は理解しています。そこで、バージョン8.0 プラットフォームに——特にLuceneのアップグレードと最適化周りにおける——投資を行い、Jira管理者が、大幅に時間を節約し、これまで頭を悩ませたであろう課題を解消できるよう勤めました。

パフォーマンスニーズを鑑み、我々はJiraでのLuceneの扱い方を最適化しました。Luceneは、検索やレポートからボードやサイドバーのコンテンツに至るJiraのすべての原動力です。また我々は、Jiraプラットフォームを構成する40を超えるライブラリをアップグレードして、パフォーマンスと安定性の向上を図りました。

モダンなJira 8.0プラットフォームが、Jira管理者の作業を容易にする3つのポイントは次のとおりです:

1. インデックスの再作成にかかる時間を大幅に短縮

検索パフォーマンスの低下や、新しいカスタムフィールドの追加、またはクラスタの不整合などが原因で、頻繁にインデックスの再作成を行うお客様は多いと思います。これまでこの処理には、何時間もかかる場合がありましたが、Jira 8.0では、再インデックスにかかる時間は71%速くなりました(我々のテストでは、3時間から53分に短縮)。

速いインデックスの再作成は、管理者にどういったメリットがあるのでしょうか。Jiraのアップグレードはインデックスの再作成が必要となる、一般的なケースです。Availity社でJiraおよびConfluence管理者を務めるBryan氏の場合、再インデックスに16時間かかっていました。そのため、アップグレードを週末にスケジュールしなければならず、彼はUNIX管理者やデータベース管理者と同様に、週末に仕事をしていました。しかし8.0を導入してからは、インデックスの再作成時間が短くなるので、アップグレードを平日にスケジュールできます。

2. インデックスのサイズが小さくなり、より短時間でのメンテナンスが可能

Jiraの規模と複雑さが拡大するにつれて、インデックスも増大します。それにより、ノード間でインデックスをコピーするのに長い時間が——我々の最も大きいエンタープライズのお客様の場合、最大5時間——かかります。また、インデックスのサイズが増大すると追加のハードウェアが必要になり、費用がかさむことがあります。Jira 8.0では、インデックスサイズが48%縮小(我々のテストでは、19 GBから9.9 GBに減少)されました。これにより、より速く、より安定したJiraを維持し、トラブルシューティングがこれまでより簡素化されます。

3.メモリ消費の激しい機能がなくなり、インデックスのパフォーマンスが安定

「メモリが足りません」というフレーズをよく見かけませんか?カスタムフィールドによる検索結果のソートといった、複雑なJiraの機能は、エンタープライズ規模のインスタンスを不安定にすることがあります。この度、メモリの制限によって引き起こされていたパフォーマンスのボトルネックが解消され、我々のパフォーマンステスト(1,400個のカスタムフィールドを使用)では、メモリの問題が事実上、発生しなくなりました。バージョン8.0では、Jiraのパフォーマンスも安定し、インデックス作成後も低下しません。

これらすべての変更により、Jiraがより高性能で安定し、アップグレードとメンテナンスにかかる時間も短縮できます。Jira管理者は、ダウンタイムのスケジュールやアップグレードの実行をより柔軟に行えるようになり、Jiraで複雑な操作を実行する際の問題も全体的に少なくなるでしょう。

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Jira Software 8.0ではData Centerのメンテナンスも簡素化

バージョン8.0は、Data Centerをご利用のお客様にとっても、管理上のメリットがあります。上記のエンドユーザー向けの改善点や管理者向けの利点は、Data Center版8.0リリースの一部でもありますが、Data Centerに特化したメリットは他にもあります。

インデックスのメリットが倍増、メンテナンスが容易に

Data Center環境では、各ノードでのインデックスの依存度が高いため、バージョン8.0のインデックス改善は、そのメリットの影響が大きくなります。より小さく、より安定したインデックスにより、Data Centerにおけるノード複製がさらに速くなりました。インデックスの再作成は71%速くなり、全体でのインデックスの再作成の必要性が少なくなります。

ハードウェアの規模縮小

より大規模で複雑なJira環境を運用するData Centerのお客様の場合、インデックスのサイズも大きくなるため、通常、よりスムーズな動作のために追加のハードウェアが必要となります。しかし、バージョン8.0では、インデックスのサイズ縮小と優れたメモリ管理により、Data Centerの実行に使用しているハードウェアの規模を縮小できる可能性があります。

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バージョン8.0へのアップグレード

バージョン8.0の機能と改良点を活用するために、アップグレードの計画を始めることをお勧めします。次のリソースをお役立てください:

我々は、アップグレードに十分な準備時間が必要であることを理解しています。多くの手動の手順があり、自分のインスタンスに適用すべき手順を把握するのは困難です。

次のアップグレードをよりスムーズにするために、アップグレードの事前プランニング機能をご用意しました。このページでは、管理者に当該インスタンスに最適化したアップグレード計画を提示します。お使いのインスタンスとアップグレードパスに合った最新の情報が生成され、重要な手順もハイライトされるので、アップグレードの準備を整えるのに役立ちます。

アップグレードの事前プランニング機能

この機能は、Atlassian Troubleshooting and Supportプラグインを更新の上、管理者の設定画面からアクセスいただけます。

Jira Service Desk 4.0へのアップグレード

この度、Jira Service Desk 4.0もリリースされました。Jira Service Deskをご利用の方は、ぜひ、最新のプラットフォームリリースとなる本バージョンへのアップグレードもご検討ください。

Jiraプラットフォーム上に構築されたJira Service Desk 4.0は、上述の改善やLuceneの強化など、Jira Software 8.0で提供された基本的なアーキテクチャのアップデートが適用されています。このバージョン4.0で、ITチームの生産性向上とサービス提供のスピードアップに役立つ、大幅なパフォーマンスの改善を感じていただけるはずです。変更点や改善点については、こちらをご覧ください。

そして、Jiraの機能が活かされた柔軟なサービスデスクをお探しでしたら、Jira Service Deskの試用版をダウンロードの上、お試しください。

About 亀山 奈緒

オンラインマーケティング担当。外資系計測器メーカーやソフトウェアベンダーで、マーケティングコミュニケーション・デジタルマーケティング業務に携わり、2018年6月にアトラシアン株式会社に入社。アトラシアン製品が日本の働き方を変えると信じ、これを広めるべく取り組みの毎日を送っています。

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