プロジェクト管理には専用の「プロジェクト管理ツール」を使おう 【ゲストブログ】

今回は、アトラシアン のプラチナ ソリューション パートナーで WBS Gantt-Chart for JIRA を開発している リックソフト株式会社 の樋口晃さんによる ガントチャート形式による JIRA Software を使ったプロジェクト管理に関する情報を 2 回にわたってご紹介します。アトラシアンでは、ブログを寄稿してくれる方を募集しています!ご興味のある方は是非 japan-marketing@altassian.com (担当:犬山) までお問い合わせください。

Excel は複雑な情報を表として集計してまとめるには、とても便利なソフトです。しかしながら、プロジェクトで課題管理や進捗情報の共有をしようとすると、プロジェクトの規模が大きくなればなるほど困難になります。私も以前は、Excel でプロジェクト内の情報共有をしていました。その中で、私が感じたメリット/ デメリットを記載してみました。

メリット

  • Excelは皆さんが慣れ親しんだツールなので、直ぐに使える。
  • 多彩な表現力で美しく、見やすい表が作成できる。
  • 追加のコストがかかからない。

デメリット

  • ファイルの共有がしずらい。(排他制御やファイルの破損の問題)
  • 変更点が解りにくい。(トラッキング)
  • 情報共有(シェア)および情報伝達(コミュニケーション)をタイムリーに行うことができない。

Excelを利用すれば簡単にキレイな課題管理表や、スケジュール管理表をガントチャート形式で作成する事ができます。しかし、私はチームでExcelファイルを活用しようとして色々と苦労してきました。

まず、最も大変なのが、「ファイルの共有がしずらい」という点です。小規模なプロジェクトならファイルサーバーで共有できて良いのですが、大規模なプロジェクトでは関係者の作業場所は分散しているので、メールで共有をする事になります規模が大きなプロジェクトでは、プロジェクト管理者の時間が「課題管理」の「進捗管理」の資料の作成や更新に取られてしまい、本来の「プロジェクト管理」のために時間を使えなくなってしまいます。プロジェクト管理者が頑張ったとしても、「変更箇所が解にくい」という問題と、「情報共有をタイムリーに行うことができない」という問題がメンバーには残り、結果として情報共有がスムーズにできないという事になります。

Excelで課題管理をしていると議論した結果だけがExcelに入り、議論の過程はメールに残るという事になってしまうのでは無いでしょうか? 大事な情報がメールに埋もれてしまったり、またはメールの検索に時間を費やす事も無駄です。

情報共有がスムーズにできないと、生産性が落ちてしまいます。また、連絡ミスによりメンバー間で「言った vs 聞いてない」という事になり、作業に手戻りが発生すると、メンバーのモチベーションが落ちていき、さらに生産性は低下します。プロジェクトチームで仕事をするためには、スムーズな情報共有は必要不可欠な要素だと思います。

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プロジェクト管理には専用ツールを利用しましょう

上記の問題点を解消するための、アプローチとして課題管理ツール JIRA Software をご紹介します。

Excel表の各行を「課題」と位置づけ、その課題を JIRA Software に登録します。課題はステータスで管理します。「作業前」、「進行中」、「完了」などが用意されていますが、ユーザー必要に応じて「承認待ち」などを追加する事ができます。課題のフィールドも同様に、「要約」、「説明」、「担当者」、「期限」などが用意されていますが、こちらも必要に応じて追加する事ができます。この柔軟なカスタマイズが JIRA Software の魅力です。

課題を修正すると、課題の「担当者」や課題を起票した「報告者」にはメールで変更箇所が通知されます。また、自分が気になる課題は「ウォッチ」機能を使って、通知を受け取る事もできます。この機能を利用すると、情報共有がスムーズになります。また、変更履歴も管理されますので、だれがいつどこを修正してかを後から確認する事もできます。 JIRA Software を利用すると、メールは「変更があった」という「通知」だけに利用する事なるため、情報がメールに埋もれる事が有りません。通知内容を確認したら、メールは「ゴミ箱」に捨てることができますので受信トレイを軽くする事ができます。

また、カスタマイズ可能な「ダッシュボード」に「ガジェット」を追加してカスタマイズする事で、プロジェクトの情報を共有するための「ポータル」を作成する事もできます。

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プロジェクト管理では、各タスクの依存関係やスケジュールの線引きをして、プロジェクトの計画やと進捗を管理するためにExcelでガントチャートを作成する事が良くあります。ガントチャートを作成して共有する事で、チーム内でプロジェクトの進捗状況などを共有する事ができます。JIRA Software は課題管理には優れたツールですが、「プロジェクト管理」をするためには、ガントチャートでスケジュールの作成、進捗管理をしたくなります。

残念ながら JIRA Software にはガントチャート表示する機能が無かったので、リックソフトでは、お客様からの要望によりWBSガントチャート for JIRA という JIRA Software のアドオンを開発しました。

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このアドオンによってプロジェクトの計画時のスケジュール(ベースライン)と実際の進捗をビジュアルに表示し、クリティカルパスによってプロジェクト管理業務を支援、タスクの依存関係(先行と後続)も作ることができるため、スケジュール管理・進捗管理・リソース負荷管理ができるようにしました。

JIRA Software と WBS ガントチャート for JIRA を利用する事で、プロジェクト管理者は業務の負担を軽減するだけでなく、効果的なプロジェクト管理業務を遂行する事ができます。

JIRA Software + WBSガントチャート for JIRA で改善できること

  • 各メンバーがデータを更新するので、プロジェクト管理者は、「課題管理表」や「進捗管理表」といった管理資料の作業負荷を減らす事ができる。
  • メンバーは自分の担当作業と進捗報告の方法が明確になり、作業効率が上がる。
  • 各メンバーは自分の担当作業の他、関連するチーム内の作業の状況も確認できるため進捗会議をしなくてもチーム内で状況を共有できるようになる。また、進捗会議の時間は短縮される。
  • 情報が課題別やステータス別に整理されるため、メールなどを検索しなくても素早くを把握することができます。
  • WBSガントチャート for JIRA を使うと以下の事が改善できます。WBSガントチャートの機能など詳しい内容については、次回のブログでご紹介します。
    • プロジェクトのスケジュールを視覚的に作成 / 変更 / 確認できる。
    • クリティカルパスやベースラインなどの機能を使って、プロジェクト全体の終了見込みや進捗を確認できる。
    • メンバーの作業を負荷を想定しながら、スケジュールを作成できる。

JIRA Software を導入するためには

JIRA Software を導入すれば、多くの問題が解決に向かうことは理解いただけたかと思います。実際に導入する場合のコストについてが、以下の2つが有ります。

JIRA Software を稼働するまでのコスト

  • クラウドで利用する場合は、クラウドの費用
  • お客様のサーバーにて利用する場合は、サーバー費用+ライセンス費用

JIRA Software を運用するためのコスト

  • JIRAを利用するたには、ステータス、ワークフロー、フィールドなどを業務に合わせてカスタマイズする必要が有ります。また、システム管理者はJIRA Softeware をカスタマイズするためのスキルが必要になります。
  • こちらのコストがどの程度になるかはプロジェクトの規模などに依存しますが、リックソフトのサポートや導入コンサルを利用して頂ければと思います。

但し、導入する前に十分な評価・検証を行うことができるのがアトラシアン製品の魅力の一つです。リックソフト株式会社では、評価ライセンス発行と同時にヘルプデスクアカウントも発行して、JIRA SoftwareとWBSガントチャート for JIRAの両方の評価・検証を手助けします。是非、評価・検証を行っていただき、ツールの素晴らしさを実感して頂きたいと思います。

次回(1/25)は、WBS ガンドチャート for JIRA についてより詳しく説明します。是非、右サイドバーからこのブログに登録して、最新情報を得ましょう!

ソリューション パートナーの一覧を見る

樋口 晃 さん (リックソフト株式会社)

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1990年代よりSI会社でシステム開発。メインフレーム、パソコン、WEBアプリなどなどの開発に関わる。プロジェクトチームで情報共有、進捗管理、課題管理、構成管理、ビルド管理の効率の悪さと大変さを何とかしたいと思っていたところで Atlassian製品に出会い、2009年より Ricksoft で Atlassian 製品の担当になる。以来、JIRA / Confluence にどっぷり浸かる毎日。