Atlassian Summit 2015 2日目 現地レポート

1日目につづき、Atlassian Summit 2015 2日目の現地レポートです。二日目はITチーム向け、ビジネスチーム向けのキーノートについて紹介したいと思います。

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Keynote for IT Teams (Didier Moretti)

ITチーム向けキーノートではKudos!というアトラシアンの感謝を示すためのアクティビティの紹介から始まりました。

アトラシアンの中でKudos!の感謝を受けるチームとしてITチームが第2位となっています。ITチームは迅速な対応ができて当たり前という周りからの認識のもと仕事をしているわけですが、JIRA Service Deskが登場してからは非常に迅速な対応ができるようになり、当たり前から感謝される存在へと変わっていったのです。もちろん、ITチームはユーザーからのリクエストに対応するだけではいけません。現代の経営ではテクノロジーを活用することが必須となってきています。テクノロジーを活用できるようにする速度を上げビジネスをより速くしていくこと("Faster")がITチームの役わりとなってきました。

アトラシアンの製品、JIRA Service Desk、JIRA、ConfluenceそしてHipChatを使用してソフトウェア開発チームやビジネスチームと協力していく過程としてサービスの提供、人の手による協力、チームの強化の3つが挙げられます。これらの要素を実現するために様々なチームが協力して作業を進めます。その中でJIRAやConfluenceと言った共通のツールセットを使用することでチーム間の連携を強化していくことができます。 そして、ITチームがITの事をよく分からない人達のビジネスをより高速にしていくために次のような機能を今後提供しようとしています。

一つ目がJIRA SoftwareとJIRA Service Desk間の課題のリンクです。ITチームがビジネスチームとソフトウェア開発チームの中間に立ち、それぞれの言葉、文脈でやり取りをしつつ、それぞれで管理している課題間のステータスをリンクさせることで、ビジネスチームからソフトウェア開発チームへの橋渡しを確実かつ高速に行うことができるようになります。

二つ目は初日のキーノートでも何度か登場しているHipChat Connectです。HipChat ConnectではHipChatの中でオペレーションの通知や現在の状況を俯瞰的に眺めることができるため、HipChatからほとんど離れることなくシステムの状況を監視することができるようになります。これをChat Opsという名前で呼んでいます。

最後にJIRA Service Deskの新機能としてSmart Graphという機能が紹介されました。Smart GraphはITキーワードやITチームが作成した分類をよく知らないユーザーでも検索キーワードを学習していくことで、より速く目的の内容を探すことができるような仕組みです。

ITチームはJIRA Service Desk だけではなく、様々なツールを組み合わせることでより迅速にビジネスを進めていくためのチームになることができます。

Keynote: Atlassian for IT Teams – Atlassian Summit 2015

Keynote for Business Teams (Bryan Rollins)

最後のキーノートはビジネスチーム向けセッションです。今回、JIRA Coreという形でビジネスチーム向けの製品を発表したわけですが、このセッションではJIRA Coreに限らず、ConfluenceやHipChatも含めてアトラシアン製品が人事やマーケティング、財務や法務、そして営業といったビジネスチームに役に立つかと言ったことを紹介します。

開発者のテクノロジーをいかにしてビジネスチーム適用できるかをトヨタのJIRA Softwareでお馴染みのカンバン方式を例に紹介しています。従来は人の手で行われていたビジネスの中にソフトウェアの技術が急速に入り込み、大手企業の中でもIT エンジニアが占める割合が非常に大きくなってきています。これはITがビジネスにおけるイノベーションのペースを向上させています。つまり、ITで養われたテクノロジーがITではないビジネスでも有効に働くようになってきたということです。

とはいえ、ビジネスではITでのニーズとは異なるニーズを持っています。これについてContent、Locations、Service、Goalの観点からビジネスチーム向けの活用方法と製品の特徴について説明します。

Contentの観点ではConfluenceを始め様々なツールで多様なファイル形式のプレビューをサポートします。これはソフトウェア開発では主にソースコードが扱われる主なファイル形式でしたが、ビジネスチームにおいては部門によって主に使用されるファイル形式が異なるからです。もちろん、様々なファイル形式に対応するだけでなく、Confluence自体の編集機能も強化されます。

Locationの観点ではソフトウェア開発チームやITチームは自分のオフィスで仕事をすることがほとんどですが、ビジネスチームにおいてはオフィスにはいないで飛び回っているという人も多くなります。HipChatのモバイル アプリケーションの改善や新たにJIRAやConfluenceのiOSアプリの開発も進めています。これによりどこにいてもビジネスチームに取って必要な情報にアクセスすることが可能になります。

Serviceの観点では、ビジネスチームでも社内向けにサービスを提供するチームはたくさんあります。JIRA Service Deskはこのようなビジネスチームに置けるサービスもサポートします。ITの用語ではなく、それぞれのチームの用語でサービスを定義することでより親しみやすいサービスデスクを構築することができます。また、ITチームのキーノートで紹介のあったSmart Graphを活用することで、ユーザーにとってサービスの検索性を向上させることができます。また、サービスの提供側にとってもサービスリクエストの処理状況がデータとして把握できるようになり、様々なビジネス ディシジョンを迅速に行うことができるようになります。

最後にGoalとしてJIRA Coreがビジネスチームに提供するカスタマイズ性を紹介しました。JIRA Coreは非ITでの利用となるため、従来のJIRAの良さを受け継ぎつつ、ビジネスチームに適したカスタマイズ性を提供します。ワークフロー、タスクの種類、フィールド名、優先順位、分析、優先順位をビジネスの種類によって任意に設定することができます。また、JIRA Coreには現在実装されていないタスクボードに関しても今後提供する予定となります。また、ビジネスチームをサポートするプラグインも数多くMarketplaceで提供されています。これらも含めてアトラシアン製品を活用したビジネスチームへの進化に貢献してきます。これが、アトラシアンが目指すゴールです。

Keynote: Atlassian for Business Teams – Atlassian Summit 2015

総括

今回のAtlassian Summit 2015では従来ソフトウェア開発チームやIT部門と言ったIT系のユーザーからビジネスチームを含めた非IT系まで「あらゆるチームの可能性を引き出す」というアトラシアンのミッションを実現するというメッセージを強くお伝えできたのではないかと思っています。また、”Faster”という言葉が何度もつかわれ、企業のスピードを支えてくためのツールとしてのアトラシアン製品という進化の方向性も感じてきただけ他と思います。

実際、今回のSummitでも1/3のユーザーが非IT部門のお客様でこの1年で急激にビジネスチームへのアトラシアン製品の広がりを肌で感じることができました。ぜひ普段はアトラシアン製品に触れたことが無い同僚の皆さんにもご紹介いただければと思います。


また、今回のAtlassian Summit 2015の報告会をAtlassian Community Day 2015と題して11/27に開催いたします。私や今回の参加者のみなさまからレポートをさせていただきます。

詳細はこちらをごらんください。

http://peatix.com/event/127200

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