アトラシアンにおける ふりかえり の方法

遂に、師走となりました。1 年を振り返る時期がやってきましたね!年末は、その年の出来事を追想する時です。私たちのチームでは、各メンバーが次のようなことを考えます。

  • 上手くいったことは何か?
  • 自分は、何を達成したか?
  • 自分のどのような点を更に改善していきたいか?
  • 今年できなかったことで、来年やりたいことは何か?

そう、12 月は 1 年の出来事を追想する ふりかえり (これが、カッコいいアジャイルの言い方です) の時期です。

ふりかえり とは、スプリント、イテレーション、あるいはリリース後に行われるミーティングを指します。これによって、アジャイルチームが学習・成長して、製品文化と開発文化をより一層向上させる機会を得られます。また、成功点と再発する問題点に焦点をあてることで、チームがプロセスを継続的に向上できるようになります。私たちは、チームの ふりかえり にかける時間を、大体 1 時間に設定しています。

以下は、アトラシアンのスクラムチームの一般的な ふりかえり を、最初から最後までまとめたものです。お勧めのエクササイズも試してみて下さいね。

1. ファシリテーター : チーム間のナレッジ共有というメリットも

ふりかえりを成功させるには、ディスカッションをリードしてミーティングを進行させる強力なファシリテーターが必要です。多くのチームでは、スクラムマスターかチーム内の誰かを選び、チームのふりかえりをまとめる人を指名します。アトラシアンでは、チーム外の人物にふりかえりの進行を担当してもらうと、非常に有意義な結果に繋がることが分かっています。その理由は、全員がミーティングに参加でき、かつ、ふりかえりの進行役に気を取られる人もいなくなる点にあります。更に、司会者は自分とは別のアジャイルチームのやり方を直に知り、異なるアジャイルチーム間でのナレッジ共有を促進できます。

2. スプリントスコア : 各スプリントに対するチームの心情を確認

ふりかえりの開始にあたって、まずファシリテーターが全ての参加者に対して 1 (最悪) から 10 (最高) の番号をポスト・イットに書くよう指示します。この数字はスプリントに対する参加者の総合的な印象を反映したものになります。つまり、スプリントに対する直感的なレベルでのチェックです。(この部分は、わざと非構造的にしてあります。より細かい測定に関して後ほど考察します。)。参加者の記した数が他人には分からないようにして、進行役にポスト・イットを渡します。皆に結果を伝えた後、前回のふりかえりの際の数値と比較してみましょう。

オプション : スプリントスコアの代わりに、「スプリントを表す」絵をポスト・イットに描くよう全員に指示し、4 分の時間を与えます。これは、緊張をほぐして、全員が頭を使うようにできる便利な方法です。

3. アジャイルレポート : データを用いたさらなる洞察

基本的にスプリントスコアは、スプリントを質的に検証し、チームの士気がどのような状態にあるかを把握することが目的です。一方、スプリントの背後にある定量的データを理解することも重要です。アトラシアンでは、JIRA Agile の 3 つのレポートにより、ふりかえりを行うチームの考察を導き、定量的データを収集します。各レポートは、チームのアジャイルプロセスに関する洞察を提供します。チームのふりかえりを成功させる上で、以下のレポートを活用することをお勧めします。

スプリントレポートとスプリントバーンダウンチャート

スプリントレポート は、完了した作業、まだ完了していない作業、そしてスプリント開始後に追加された全ての作業、をリスト化するものです。バーンダウンチャート は、作業の達成率を経時的に示したものです。

以下の質問をしてみましょう。

  • チームとしてスプリントの予測どおりの結果になったか?
  • チームのバーンダウンは、皆が期待した結果となったか?
  • スプリント途中で、作業の追加あるいは削除はあったか?
  • スプリント内で完了しなかった作業はあったか?その場合、理由は何であったか?

目標 : 実際のデリバリーと予測したスプリントを比較して理解します。スプリント中に進捗を管理するためにバーンダウンチャートを利用しましょう。

jira_retrospective_burndown

ベロシティレポート

ベロシティレポート は、過去 7 回のスプリントにおける、達成予測作業量と実際に完了した作業量を表示します。

以下の質問をしてみましょう。

  • このスプリント中のチームのベロシティ (速度) はどの程度であったか?
  • その傾向は加速しているか、減速しているか、あるいは一定に保たれているのか?

目標 : チームの経時的なアウトプット量を追跡します。コミットメントと実際の達成値が近いことが望ましいです。また、新しいアジャイルチームにおいては、ベロシティが経時的に上がっていく必要があります。

jira_retrospective_velocity

コントロールチャート

コントロールチャート は、サイクル時間、すなわち課題の完了にかかる時間を示しています。

質問:

  • 課題のサイクル時間は、安定的に保たれているか?
  • 類似したストーリー・ポイントの値を持つ課題の場合、その達成に必要な時間は同じぐらいであったか?

目標 : サイクル時間を減らすことです。同じストーリー・ポイントを持つ課題では、サイクル時間が類似することを立証しましょう。詳しくは、コントロールチャートのブログで確認して下さい: コントロールチャートを使用して、開発を最適化する 6 つの主な方法

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アトラシアンでは、次のスプリントに向けたチーム内の個人的な希望を調査する際、ふりかえりを利用する場合があります。私たちは、これを スタート / ストップ / 継続と呼ばれるエクササイズを通じて行っています。スプリントスコア (ステップ 2) とアジャイルレポート (ステップ 3) は、チームが話し合うトピックを生成する上で役立ちます。全ての参加者に、十分な量のポスト・イットと、先の細いマーカーペンが配られていることを確認して下さい。ホワイトボードに 3 つの列を描き、それぞれ「スタート」「ストップ」「継続」と記します。タイマーを 5 分にセットして、各列に記載したい項目を全員に聞きましょう。

4. スタート / ストップ / 継続 : 議論が必要なトピックを発見

  • スタート : チームがやり始めるべきことは何か?
  • ストップ : チームが止めるべきことは何か?
  • 継続 : チームが続けるべきことは何か?

タイマーの 5 分が鳴ったら、一人ずつ立ち上がってもらい (これがポイントです)、それぞれのポスト・イットを各列に貼りつけ、全員が分かるよう声に出して読んでもらいます。

jira_retrospective_team

5. ドット投票 : 公平にテーマを決定

全員が各自のフィードバックをボードに貼付けた後は、関連性のあるフィードバック分野をまとめる必要があります。ボードをざっと見渡して、一つのトピックが複数のポスト・イットに書かれていないか確認します。このようなトピックが見つかった場合は、類似した分野のフィードバックをボードの一箇所に集めます。同じトピックが記載されている限り、ポスト・イットを異なる列から集めても構いません。

次に、スタートとストップの列に関して、3 つの票 (チームの規模に応じて少ない場合もあり) を一人一人に与えます。全員に立上がってもらい、ポスト・イットにドットを描いて投票してもらいます。全員が投票した後は、各列の上位 3 つの項目を取り、考察を始めます。これらのトピックが、テーマに採用されます。

6. ディスカッション : 合意事項とアクション項目を作成

チームの投票が終わった後は、ディスカッションに突入します。チームが不平不満を述べるのではなく、解決策に向けた考察をまとめていきます。ディスカッション中は、メモをとりましょう。グループが、トピックに対してある種の同意に達した場合、確認のためアクション項目を再度見直し、その担当者を決定します。これら全ての内容を、Confluence のふりかえりページに記入し、アクション項目の担当者を @メンション します。ふりかえりの時間の大半を、このディスカッションに費やしましょう。ふりかえりのディスカッションに用いる時間は、大体 30 分から 1 時間を目安にします。ふりかえりの成功の秘訣は、上述の各ディスカッション項目に対して厳格な時間の割り当てを行い、選択された各トピックに十分な時間を設けることです。また、ファシリテーターはグループの考察がトピックから逸れないようにまとめ、担当者を割り当てたアクション項目を作り出しましょう。

プロのアドバイス : フィードバックに対してアクションを起こせるように、JIRA 課題をチームのバックログ内に作成しましょう。こうしてチームのバックログ内で、開発作業だけでなく、開発文化の改善も管理できるようになります。Confluence ページ上でフィードバックをハイライト選択し、JIRA アイコンをクリックして JIRA にインポートするだけです。

JIRA ふりかえり ディスカッション

7. 結果を公表する : 成果を明確に伝える

ふりかえりをチームの全員と共有することが大事です。Confluence を利用して、ふりかえりの結果とメモを共有しましょう。私は大体、ふりかえり ブループリント のページを開いて、ミーティング中にメモを取る用意をしています。これで、ミーティング後に「保存する」を押すだけで、チームに公表できるのです!

教えてください!

あなたのチームは、どのような方法でふりかえりを行っていますか?あなたの組織では、フィードバックを得て開発文化を改善させるために、どのようなベストプラクティスを採用していますか?

*本ブログは Atlassian Blogs の翻訳です。本文中の日時などは投稿当時のものですのでご了承ください。
*原文 : 2014 年 12 月 2 日投稿 “Retrospectives at Atlassian: How we do it

About Benjamin Humphrey

I’m Benjamin Humphrey, a Designer at Atlassian in Sydney. In the past I’ve been a co-founder of OMG! Ubuntu!, founder of The Ubuntu Manual Project, and Design Lead for delicious.com at AVOS. I’ve also spoken about design at conferences & meetups, freelanced for a while, and competed in Startup Weekend. I'm the founder of UX Design Day.

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