アトラシアンによる、スタートアップや小規模チーム向けマーケティング入門: 製品マーケティング

Alex2userpic-173-100x100.png*本ブログは ATLASSIAN blogs を翻訳したものです。本文中の日時などは投稿当時のものですのでご了承ください。
*原文 : 2011 年 1 月 11 日、
Alex Loddengaard 投稿 “Marketing for Startups and Small Teams: Product Marketing

スタートアップ企業やエンジニアリングチームのためのマーケティング入門、今回はブログシリーズの第二回です。先週は、カスタマーファネルについてお話ししました。それは、顧客獲得プロセスを理解し測定するための重要な構成概念でした。この記事では、製品マーケティング、またはチームが明確かつ効率的に製品の目的と利点を伝えるにはどのようにしたらよいか、ということに焦点を当てます。Matt HodgesKen Olofsen、Giancarlo Lionetti が、この記事の執筆に多くの協力をしてくれました。

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90年代のソフトウェアはたいてい、コンパクトディスクかフロッピーディスクにより配布され、幸せな人々の写真、グラフィック、製品を説明するテキストとともに箱にパッケージ化されていました。ノートンアンチウイルスを想像してみてください。製品マーケティング担当者にとってその箱はとても重要でした。なぜなら、それは消費者とコミュニケーションを行う唯一のチャネルだったからです。
その箱は顧客の気を引くための、製品マーケティング担当者の基礎でした。今日ではウェブサイトがその箱に取って代わっています。製品は出荷される代わりにダウンロードされますが、最終的なゴールは変わりません。製品マーケティングは消費者の心の中で製品を明快なものにするプラクティスです。どんな問題をその製品が解決するのか、顧客がダウンロードやトライアルのサインアップを行いたくなるような方法で伝えて、最終的にはその製品を購入あるいは使用されるようになることを目標とします。

なぜ製品マーケティングが重要なのか

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今日においてアップルはおそらく最も伝説的な製品企業であると議論されるかもしれません。アップルは消費者が欲しくてたまらなくなる製品を開発し、マーケティングを行うことができる、尋常ではないほどの能力を持っています。アップルは市場にサスペンスをもたらすために多くのことを行い、そのうちのいくつかは優れた製品マーケティングとなっています。アップル社の広告は人の心をとらえ、ウェブサイトはゴージャスであり、製品ページはエキサイティングで明快です。アップルの取り組みの全ては美しい絵を描いていくようなもので、消費者は人気のある新製品が欲しくてたまらなくなります。
アップルは成功しましたが、しかし、他の企業は失敗しました。Google Wave は、最近のおそらく最大の失敗でしょう。多くの人がその製品の失敗について話したことでしょう。私は Wave の失敗の大部分は、その製品のマーケティング活動にあるか、またはそれらが不足しているためだったと主張します。
Google Wave のエンジニアリングチームは、シドニーで会議室に閉じこもり、コミュニケーション革命となろうとしているものに何ヶ月もハッキングをして費やしました。オーストラリアで出来あがってきたものは、美しく設計され開発されたウェブアプリであり、そして多く 混乱でもありました。Google Wave は明確な意思がなくリリースされました。ユーザーは自分自身でツールの目的を見つける必要がありました。約一年前に Wave が発表され、その後数千人が招待されましたが、Google は Wave を積極的に開発し、維持することはもはや行わないことを発表しました
良い製品マーケティングとは、素晴らしい技術の成果を実現するものです。もし素晴らしい技術が素晴らしいマーケティングにより補完されていれば、Google Wave の革命は、狙っていた市場をけん引できたかもしれませんでした。ビジョン、目的、および使用方法が適切に伝達されないが故に、素晴らしい製品が失敗することのないようにしてください。

製品マーケティングへの参入

製品マーケティング
は、チャレンジングな技術ですので、以下で時間をかけいくつかの側面を説明していきます。この記事の最後には、あなたとチームが焦点を当てることができるアクション項目リストがあります。

適切なポジショニング

製品マーケティングは、ポジショニング、あるいは同じスペースや市場で他製品とどのように比較されるのか、を考えることから開始します。Wave は他のコミュニケーション形態に対して正式にポジショニングされることはありませんでした。E メールやチャットのような他コミュニケーションチャネルと比較して Wave のポジショニングを説明するサードパーティのビデオはありましたが。適切なポジショニングには、2つの基本的な意味あいがあります:

  1. 顧客は、同じスペースの他の製品と比較して、その製品がどういったものなのかをすぐに感じます。そして
  2. その製品は、そのスペースの他の製品と差別化がされている必要があります。重複している場合は、少なくとも他の製品より良い製品であることが必要です。

したがって、製品が他とどのように比較されるのか、そしてどんな特定分野の要望を満たすのか、自問してみてください。市場において製品をどのようにポジショニングするかを感じ取り、マーケティング資料を作成する時は、そのポジショニングを思い出すようにしてください。
もしポジショニングについてもっと学びたい場合、Al Ries と Jack Trout による Positioning をご覧になることを強くお勧めします。

ウェブサイトは新しい箱

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企業のウェブサイトはソフトウェアの新しい箱であり、購入者は、検索エンジン、ソーシャルネットワーク、ブログなどからデジタルショッピングの通路を歩きまわります。ほとんどの場合においてウェブサイトは、無関心なユーザーを振り向かせる最初で、おそらく唯一の機会です。ただし、携帯アプリのような場合においては、ウェブサイトがファネルの重要な部分ではないこともあります。例えば、多くのユーザーがおり、利益をあげていて、中毒性のあるモバイルゲームであるアングリーバードを例にとりましょう。私はアングリーバードのユーザーの 100% 近くが Rovio のウェブサイトを訪れたことがないと推測します。(ご存知ない方のために説明すると Rovio はそのゲームの開発企業です)。製品を販売したり、ウェブベースのサービスを提供する私たちにとって、ウェブサイトは絶対に重要です。ウェブサイトは新規訪問者と、再訪問者の両方の要望を満たす必要があります。新規訪問者には、適したランディングページにより素早く魅了し、興味をもって再訪問した顧客には本能的にファネルの次の部分へ進んでもらうようにしなければなりません。読者を次のページへと導き、顧客になる段階を一歩進ませるという最終的なゴールを目指すために、ウェブサイトの各ページはストーリーを語る必要があります。ユーザーを顧客へと変える旅へ導くために、各ページには、とても明快な、行動のきっかけを作るべきです。たとえば、ホームページは製品への好奇心をかきたてるものにするか、サービスの使用を開始するフォームにユーザーが簡単にサインアップできるようにしましょう。製品ページには、無料トライアル、デモ、製品ビデオ (ビデオについては後述) へつながる行動のきっかけを作る必要があります。Formstack は、素晴らしい、良いランディングページを作成するためのガイドを提供しており、それを読んで従うことを強くお勧めします。

ビデオは多くを語る

アトラシアンでの経験上、製品について何も知らないユーザーを素早く教育するには、ビデオが群を抜いて最良の方法であることを知っています。目立つように製品の各ページにビデオを埋め込み、多くの訪問者がそれを見るようにします。Dropbox はビデオの力をとても強く信じているので、彼らのホームページは一つのビデオといくつかのリンクだけで構成されています。Confluence の製品ページは、最も人気のあるページの一つで、その訪問者の 34% がビデオを見ています。そのページを見ているのが多様な視聴者であることを考えると、その数字は素晴らしいものです。もしこの記事から一つだけ何かを学ぶとすれば、それは製品のビデオを作成し、可能な限り多くのウェブサイト訪問者に見せるようにするべきだということです。

ソーシャルメディアは重要

ソーシャルメディア – tweet、ブログ、Facebook の「いいね」などは、ウェブサイトへより多くの訪問者を導き、ビジネスに大きな影響を与えうるでしょう。Tweet やブログ記事は、現在の顧客に最新情報を提供し、ライセンス更新を促すことにつながり、企業の収入の主要な部分となることもあるでしょう。既存顧客向けとしては、ソーシャルメディアはファネルの底辺として作用し、更新や繰り返し購入に貢献します。潜在的な顧客向けとしては、ソーシャルメディアは、最近の多くのソフトウェア製品にとって心臓の鼓動のようなものです。より多くのことを学んでもらうための材料となり、コミュニティの活性度の測定もできます。認知していないユーザー向けとしては、ソーシャルメディアは企業や製品のブランド認知度の向上に役立ちます。ファネルの上部を広げ、ウェブサイトのトラフィックを増加させます。しかしながら、ソーシャルメディアはいつも読者の利益のためにあるべきです。実用的で、ユーザーについての Tweet やブログは、より多くシェアされたり読まれたりします。ソーシャルメディアに関しては、後日、リ