ITSM に対する JIRA Service Desk のアプローチ方法とは?

ITIL は IT の教義として認識されているにもかかわらず、伝統的な ITIL に対応した従来の ITSM (IT サービスマネジメント) ツールは、多くの IT 企業にフラストレーションを与えています。古いソリューションは実装が高価になりがちで、適用も難しく、変更がほとんどできません。

多くの分野では教科書的なことをそのままにしていますが、IT はそうではありません。

そのため私たちは、IT での新しいやり方を考えるためにペンと紙を持って机の前に座りました。当社の IT チームをどのように運用すれば良いのか、顧客の間で人気を獲得しつつある ITSM への新しいアプローチを JIRA Service Desk でどのようにしてサポートするのか、その両方の観点で考えました。

ここでは、大きな変化を起こしている IT への新しいアプローチをいくつか紹介します。また、そのサポートを行うために当社がどのように JIRA Service Desk を再設計したのかについて、さらに IT チームが JIRA Service Desk を使用して有名サービスを提供している方法についてもお話しします。

IT の進化

多くのツールやプロセスが ITSM を実施する方法を定めていますが、私たちが夢中になっている 2 大トレンドは、DevOps とバイモーダル IT です。バイモーダル IT では、IT デリバリーの 2 つの異なるストリーム (モード) を管理します。1 つは安定性に関するもので、もう 1 つはイノベーションとアジリティに特化したものです。DevOps とは、IT チームと開発チームの間にある壁を壊すためのものです。この壁はずいぶん昔に密かに作られたもので、いつどのように現れたのか誰も知りません。

そこで私たちは、両方の特徴を活かして JIRA Service Desk に適用しました。先進的な IT チーム (そして彼らを支えるメンバー) が、安定性のバランス能力を高め、イノベーションを起こすための支援をするためです。

実装や変更という悪夢のような複雑なプロセスの代わりに、当社はサービスリクエスト、インシデント管理、問題管理、変更管理をサポートする 1 つのツールを開発しました。さらに、DevOps に習って透明性に重点を置きました。そうすることでチームから秘密主義の考え方を無くし、コミュニケーションをオープンなものにしました。
多くの IT 企業が「サービスデスクツール」について考えるときは、インシデントとサービスデスクのことだけを想像します。問題管理や変更管理には通常、他のモジュール (あるいは他のツール) が必要となり、それらを統合することはシームレスとはほど遠いのが普通です。

古いツールはこのようなものです。

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大事なことは何でしょうか。作業をエリアごとにわけるのではなく、チームのニーズに基づいて行うと良いのではないでしょうか。サービスリクエスト管理、インシデント管理、問題管理、変更管理は、要求に応じてではなくプロジェクトを中心として統合されるべきです。

ITSM の新しい実践方法

1 つの製品を使うアプローチにより、コアプロセスが共有されるため、SLA の設定やワークフローの変更が簡単に行えます。新しいことを覚えたり、モジュールを組み合わせたりする必要はありません。プロジェクトを作成して、インシデントを問題や変更リクエストに繋げることができます。IT チームのまとまりを維持するために、プロジェクトではデータやプロセスの論理的な分割が行えます。小さな組織に所属している方は、まずインシデント管理から開始するだけで十分です。その後、必要に応じて追加機能を利用すると良いでしょう。

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チームがコラボレーションすれば可能性は無限大

それは結構な話ですが、(ことわざの通り) 論より証拠です。
世界的に有名なある旅行サイトが優れた IT ツールを必要としていました。同企業は、5 年間にわたり急成長を遂げていました。来訪者が 400% 増加し、毎月平均 5000 万人ものユーザーがアクセスしていました。そのため稼働時間がすべてでした。1 秒停止するだけでも、収益が大幅に減少して顧客の信頼も失います。より速やかな問題発見と修正が必要とされていました。

同社では従来の IT ツールを使用していましたが、もはや企業の成長に対処することはできませんでした。ツールの修正とバグの追跡に多大な時間を費やし、課題の対応には十分な時間を使うことができていませんでした。最前線の IT エージェントとバックエンドの開発チームとのコラボレーションを促進するために、新しい IT ソリューションが必要でした。

同社では、別々のチームが IT、ビジネスツール、インフラストラクチャの課題に取り組んでいます。Office IT Service チームは、従業員のニーズに関連するサービスリクエストとインシデントに専念しています。また、Business Tools チームと Global Availability and Performance (GAP) チームは、インシデント、問題、変更に焦点を当てています。それらは、最適なサービスレベルで事業のサービスを維持するためのものです。

昔から IT チームに役立ってきたことが、必ずしも新しいデジタル時代に通用するとは限らないからだ。


ITSM にプロジェクトベースアプローチを適用して、同社はたった 1 つのソリューションを使用しています。それにより各チームがワークフロー、データスキーム、画面、SLA、レポートなどの課題に取り組むことができ、さらに IT 管理における徹底した可視性、共有、統制が可能になっています。

企業にとっての最大のメリットは、チームのコラボレーションが増えることです。IT チームとソフトウェア開発チームが今まで以上に協力して問題をより速く解決することができます。各チーム間にわたって、始まりから解決まで課題のリンクや追跡が可能になるためです。全員がキューをすべて閲覧することができ、適切なエキスパートが協力して問題をより速く解決できるのです。結果として、開発者と IT スタッフは、より良いソフトウェアやサービスの開発に多くの時間を集中できるようになります。

ありきたりな方法にうんざりしている方は、JIRA Service Desk をご覧ください。皆さんのチームに素晴らしい貢献ができる準備ができています。

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*本ブログは Atlassian Blogs の翻訳です。本文中の日時などは投稿当時のものですのでご了承ください。
*原文 : 2016 年 1 月 20 日投稿 "How JIRA Service Desk approaches ITSM"