機械学習 を実装した「スマートグラフ」機能の導入

1 万 5000 以上のチームが JIRA Service Desk を選んでいます。これは素晴らしいことですが、それ以上に素晴らしいのは、各組織の中でも急速に普及していることです。

通常は IT 部門が JIRA Service Desk を最初に導入するのですが、それに続いて不思議な現象が起こっています。他のチームもメールから離れる価値を見いだし、サービスデスクを利用しているのです。人事、施設、法務、さらにはマーケティング部門のようなチームまで、それぞれの内部顧客の要求を扱うためにサービスデスクを採用しています。そしてすぐに、事実上すべてのチームでサービスデスクが使われるようになりました。

しかし企業内でサービスデスクが急激に普及すると、時には適切なサービスデスクの発見が難しくなることがあります。また、ユーザーの解決しようとしている問題に適切なリクエストタイプを見つけることも困難です。たとえば、当社の Workplace Technology サービスデスクは、新しいラップトップやアプリケーションライセンスを手に入れる際に使用されていますが、20 種類以上のリクエストフォームがあります。

当社だけではありません。大規模な顧客の中には、JIRA Service Desk を IT チーム以外に広く導入した顧客もいます。Twitter 社では 100 を超えるサービスデスクが稼働しています。これでは干草の中にある針を探すようなものです。

支援を求めて検索

当社は、それらすべてのサービスデスクを簡単に利用できるようにする必要がありました。そこで、サービス全体にわたって適切なリクエストタイプを見つけられるように 機械学習 により、キーワード検索をスマートにしました。

ユーザーのラップトップに問題がある場合は、検索バーに「laptop」(ラップトップ)という単語を入力するだけでヘルプが得られます。

ダイレクトキーワードマッピングがある場合は、検索の効果は絶大です。ユーザーが「デスクトップ」や「ラップトップ」で検索すると、システムはリクエストフォーム名や詳細の中にこれらの単語が含まれる適切なリクエストタイプを見つけやすくなります。

しかし、mouse (マウス) にトラブルがあった場合はどうなるのでしょうか?

HelpCenterSearch

もしユーザーが「コンピューター用外部マウス」と検索すれば、結果としてキーワード「コンピューター」と一致する適切なリクエストタイプ (Desktop/Laptop Support) が見つかります。しかしそれは一般的なユーザーの探し方ではありません。賢いサービスデスクなら、「moouse」(マウス) がリクエストタイプ名や説明に記述されていない場合でも、「Desktop/Laptop Support」(デスクトップ / ラップトップサポート) のリクエストタイプを表示するでしょう。

機械学習 でより適切な検索結果

最新の JIRA Service Desk では「スマートグラフ」機能を導入しました。これは、より良い検索結果を得るためにキーワード検索と機械学習を融合したハイブリッドアルゴリズムです。

これにより、ユーザーが「マウス」を検索すると、スマートグラフが過去の問い合わせから学習した相関を調べ、「マウス」関連のリクエストをしたユーザーの多くが
「デスクトップ / ラップトップサポート」を必要としていたこと、あるいは新しく「ハードウェアリクエスト」を作ろうとしていたことを見つけます。スマートグラフは過去の経験から学習するため、言語とユーザーパターンを認識します。そのため、多くのチームがキーワードや論理的なフレーズに基づいた検索をするほど、スマートグラフはよりいっそう賢くなります。

「スマートグラフ」について詳しく見てみよう

新しいリクエストが作られるたびに、スマートグラフがリクエストフィールド内のキーワードとリクエストタイプの相関を学習します。

たとえば、メリッサは work from home (家で仕事をする) の必要がありますが、魔法の 3 文字「VPN」が思い出せません。

最初の検索結果はあまり賢くありません。メリッサはもう一度ためします。

もう一度。

ようやくメリッサは「VPN Access」(VPN アクセス) を目にして思い出します。最初の検索はスムーズではありませんでしたが、スマートグラフに学習する機会を与えたことになります。

次に誰かが「work from home」(家で仕事をする) と検索したときは、最初の検索で適切なリクエストタイプが出てきます。スマートグラフのおかげです。

リクエストがたくさん作られるほど、スマートグラフ内の相関は増加します。つまり、時間とともに賢い検索ができるようになるのです。あなたの会社でスマートグラフを使えば使うほど、より正確性を増し、ユーザーはもっと使いたくなります。そして最終的には、価値と適用の優れたサイクルが生まれます。

IT チームは読心術ができるわけではないので、ユーザーがヘルプを求めてどのように検索しているのかを正確に推測することはできません。スマートグラフならそれができます。

スマートグラフが推測ゲームを排除します。現実の相関を最適化し、IT フォームと一般的用語を翻訳する機械学習を最適化することで、顧客の満足度が向上します。

忘却と自己修正

スマートグラフは相関を忘却することもできます。新しいリクエストが追加されて古いリクエストがサービスリクエストから無くなると、スマートグラフは古い相関より新しい相関に重み付けをします。

しかし、スマートグラフが不適切な相関を学習した場合、たとえばメリッサが VPN リクエストを見つけられずに一般 IT ヘルプリクエストを作成した場合など、エージェントがチケットを調べた後にリクエストの更新を行い、スマートグラフはその相関を更新します。

推奨

時には、どこへ向けたヘルプなのかが分からないことがあります。たとえば ID カードを紛失したときは IT 部門で良いのか、それとも施設部門なのか分かりません。ユーザーには作成するリクエストの種類が分からないかもしれませんが、スマートグラフなら、相関の力を利用することで、過去のリクエストに基づいた推奨ができるのです。それどころか、よく行われるリクエストのほとんどは、標準的なベストプラクティスになり得ます。
new staff member (新人メンバー) が仕事を始める場合、あなたはきちんと新しいアカウントを作成し、適切なハードウェアを支給して、新人が開発に着手できるようにしたいでしょう。

マルチリンガル

スマートグラフはあまり言語に依存しないため、ほぼすべての言語で相関を学習することができます。

未来はここにある

サービスデスクでは大量のデータを扱っており、機械学習を適用する素晴らしい機会となっています。ここまでスマートグラフが優れた検索を行う様子を見てきましたが、これはまだ始まりにすぎません。

スマートグラフは常に学習を行っているので、一般的な問題に関して優れた洞察を得るために使うことができるでしょう。月曜の朝、あなたが次に大量のチケットを目にするとき、JIRA Service Desk が潜在的な問題を集約し、Wi−Fi に関するあらゆる苦情がネットワークの問題であるだろうと教えてくれるでしょう。

Wi-Fi のリクエストをデスクトップサポートに送るのではなく、スマートグラフは誰がこの問題のエキスパートなのかを学習し、自動的に最適なエージェントにチケットを割り当てます。

当社は、ユーザーが快適に生活できるような機能の開発に専念しています。JIRA Service Desk に機械学習を追加することで、ユーザーのチームのために、スマートグラフを賢い検索だけでなく、賢い洞察や行動にも利用しています。

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*本ブログは Atlassian Blogs の翻訳です。本文中の日時などは投稿当時のものですのでご了承ください。
*原文 : 2016 年 1 月 26 日 “Introducing smart graph: machine learning in action